中国・清朝の、白磁のれんげ。呉須‥コバルトで絵付けのされたものはたまに見かけるけれど、無地のものはあまり無いように思う。
安ものの雑器の印象だが、よく見ていると、手早くたくみに仕上げられた仕事は繊細だ。型に押したあと、まわりをきれいに切り取り、置いたときに下になる部分は、しっかりと高台のように底上げがされている。
それにしても、このスプーンを「蓮の花」と名づけた人のセンスはどうだろう。テーブルの上に置いて眺めれば眺めるほど、水面にはらりと落ちた蓮弁に見えてくる。染付けのものも楽しいけれど、可憐な花びらのような姿は白磁ならではだ。
Soup Spoon ..Porcelain, China 18-19th century