2010年8月20日金曜日

加藤巧の陶 Pottery by Ko Kato - Exhibition



加藤巧の陶

2010年9月10日(金)–20日(月)
会期中無休
午前11時–午後7時

会場に出かける日、時間は
右下のTwitterにて毎日お知らせいたします。

於 月日荘
名古屋市瑞穂区松月町4-9-2
phone/fax 052-841-4418


高麗の瓶 A Crane In The Rain



 やきものの歴史上、しばしば最高峰といわれる中国・宋の青磁の影響を受けて産まれながら、本家である中国の人びとにさえ「翡色」として賞賛された高麗時代の青磁。
 朝鮮半島の青磁の、中国にはない独自の特徴が、薄い鉄分の混ざる生地を彫り、そこに白い土と、生地より濃い鉄を含む土を埋めこむことで白と黒からなる模様を表す、象嵌という技法だ。

 この高麗青磁の絵模様として代表的なものが、綿飴のような雲が浮かぶ中を鶴が舞うように飛ぶ雲鶴図なのだが、この小瓶‥徳利に見えるけれど、高さは10cmほどしかない‥のモチーフは、鶴と、雨。蒸し暑い雨模様がつづく季節、眺めれば少しだけしっとりとした気分にさせてくれる。
 口が欠けているが、金や銀で繕ってしまうと立派になりすぎて自分の部屋にそぐわない気がして、そのまま直さずにいる。 


Bottle, Celadon, Korea Koryŏ dynasty, 13th century

蓮華 The Lotus



 中国・清朝の、白磁のれんげ。呉須‥コバルトで絵付けのされたものはたまに見かけるけれど、無地のものはあまり無いように思う。
 安ものの雑器の印象だが、よく見ていると、手早くたくみに仕上げられた仕事は繊細だ。型に押したあと、まわりをきれいに切り取り、置いたときに下になる部分は、しっかりと高台のように底上げがされている。

 それにしても、このスプーンを「蓮の花」と名づけた人のセンスはどうだろう。テーブルの上に置いて眺めれば眺めるほど、水面にはらりと落ちた蓮弁に見えてくる。染付けのものも楽しいけれど、可憐な花びらのような姿は白磁ならではだ。


Soup Spoon ..Porcelain, China 18-19th century