古い、時代を経た鉄の道具の‥道具でなくてもよいが‥肌を眺めたり、撫でたりするのが好きだ。
新品の鉄は痛そうだったり冷たそうだったりするけれど、時を経て、錆びたり朽ちかけていたりする鉄というのは、なぜこうあたたかだったり、気持ちを鎮めてくれたりするのだろうか。
一見適当なようでいて繊細な仕事ぶりと、そのまま飾っておいたらきれいなのでは、と思わせる形にひかれて求めたこれは、ずっと何に使ったものだかまるでわからずにいたのだが、あるとき炭を扱うお店で似たものを目にして、炭焼きの道具であることを知った。ただ、どんな工程でどのようにして使ったのかは、まだ知らない。
Charcoal Maker's Tool, Iron, Japan 19th century